801 :プリンはのみものです。2015/03/23(月) 18:17:03ID:D6E
今の時期になると思い出す。
うちは子供が二人いて、下の子が幼稚園の入園が決まった頃、公園でママ友たちと
幼稚園グッツを作るって話になった。
うちは二人目なので、もうだいたいの材料は用意してあって、縫うだけって感じだった。
あとの人たちはみんな初めての子で、みんなミシンも持っていない感じ。
それで、私のミシンを貸出しする事になった。
Aはほぼ裁縫は出来ないので迷惑をかけたくないからと一番最後でいいと言う。
まあ実際には一人あたり10日程のペースで5軒を回り、最後にAに元にミシンが行ったのは
2月末。それから二週間ほど経ってAが泣き付いてきた。
A宅を訪問してみると、和室はすごい惨状だった。
足踏みタイプのミシン(今流行りの手元操作じゃないやつ)なんだし、テーブルにしなよ、と
言うと、ごはんの度に動かすとわけがわからなくなるそうで…。

なぜか散乱したキルティングの端は絡まった糸でぐちゃぐちゃ。
糸調子も合わせられず、ひきつった糸で布がぐちゃぐちゃ。
裏表を間違えて縫い付けてしまった(なぜかちゃんと縫えている)やつとか、まあ、すごかった。
針も何本も折ってしまったらしいし、なぜかボビンケースが何個も買ってあった。
倍の長さで購入した布ももうないとの事で…
ソーイングショップで委託した方が安上がりだったねとご主人に言われたと泣いてました。
でも、どうしても作ってあげたいんだって。
ママの身体の都合で二人目は望めないとかで、出来るだけの事はしてあげたいと…
私も暇だし、手とり足とり教える事にした。子供たちは毎日一緒に遊べるので喜んでいた。
まずは布の失敗部分を切り落としてリセット。実際には3セット分くらいの材料があった。
だいたい一日1つ完成させるペースで、10日程で全部完成。
私の上の子が春休みになったのでそこで終了。
Aはその後一人で黙々と作業して、3セットしあげました。
子供も大喜びでとても大切に使ってくれたと卒園前の最後の懇談会で涙ながらに語っていました。
小学校の入学準備にまたミシンはアチコチに出張し、今度はAも全て自力で作成。
防災ずきんカバーは見事な出来でした。

子供たちはもう大人なんだけど、高校生くらいの時にAに会った時、
息子くんはママが大変な苦労して制作した事をちゃんと覚えていてくれて、
スクールバックや上履き入れも大切に保管してくれていると言っていました。
その時Aは鞄の中からあの時初めて完成させたコップ入れの巾着を取り出して、
なかなか捨てられないわよ、と笑って中のキャンディーをくれました。

よくクレクレの記事なんか読んでいると、この人たちはずいぶん損しているなぁとよく思う。
苦手な事にでもチャレンジできるのが子育ての醍醐味でもあるのに。
市販品にワッペンや名前シールをつける、たったそれだけでも子供にとってはママが自分の為に
用意してくれた世界でたった一つだけの特別なものになるのにね。